4.練り

練りはそば粉の内部に、しっかりと水分を吸収させる工程。腕力だけでなく腰を使う。

 

 

4-1

そば玉の左側に手を添え、右手のひらで上から練り込むようにつぶしていく。腕の力に頼らず、腰を使い、力が肩の真下に加わるようにする。 そば玉は絶えず右上の部分を折り込んでいく。

折り込んだら、玉を左に回転させる。そば玉の右上のところを、右手親指の付け根の部分を使って練り込み、そのまま体重をのせて鉢に押しつける。左手で支えてそば玉を立て、右手のひらのふくらみをそば玉の右上部分にあてがう。そば玉を倒しこみながら、右上の出っ張った部分を内側に折り込んでいく。

内側に折り込むように練っていくと、そば玉内の空気が絞り出され、表面に菊の花のような模様が現れてくる(菊練り)。

初めはそば玉の表面も荒れていたが、全体にしっとりなめらかになり、ツヤも出てくると菊練りの完了。

 

練りの前に手を洗うこと。
練りの良否は回数ではない。全体がしっとりし、ツヤが出てきたら切り上げる。
木鉢の湾曲した部分を使うと、無理なく練れる。 腕や肩に力を入れない。入れると生地に負担がかかる。
菊練だからといって、菊の花の模様を作ることにこだわる必要はない。

 
 
菊練りは絶対にやらなければいけない工程なのかというと、そんなことはない、「水回しがじゅうぶんに行われていれば、あえて菊練りをやらなくてもいい」と、くくった後、すぐにへそ出しに移行する職人もいる。

菊練りの目的は、生地を練ることによって水分をしっかり吸収させ、そば粉の粘りを引き出すこと。練っているうちに、ブツブツと荒れていた生地の表面がなめらかになり、照りも出てくる。さわると耳たぶくらいの堅さになっている。

菊練りをせず、勝手放題に練ったとしたらどうなるか。粘りやツヤは出てくるだろうが、どこもかしこもシワだらけの玉になる。シワだらけの玉をのしたら、あっちもひび割れ、こっちもひび割れるというさんざんな状態になるだろう。菊の花のようにシワを1点に集中させるのは、のしのためのした準備なのだ。

へそ出しは、菊練りでできた穴とシワを消すのが目的だ。同時に、円錐形に絞り込んでいく過程で、そば玉の中の空気を徐々に抜いていく。
こうして次の「のし」へとスムーズに移行させるのである。
 
 
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