11.切り

包丁を使うが、慣れないとめんの太さにバラツキが出る。一定の太さを保ちながら均一に切ることが大切。

 

 

11-1

のし台の上にすべり止め用のぬれぶきんを敷き、上にまな板をのせ
る。まな板の上にも打ち粉をふる。
すでに打ち粉をふった生地をまな板の上にのせる。まな板にふった打ち粉は、切る際のクッション代わりになる。
生地の上に小間板をのせ、左手を軽くあてがい、そば包丁をまっすぐ小間板に当て、前に押し出すように切る。

 

包丁は手首を使うのではなく、包丁の重みを利用して前に押し出すように切る。
包丁はリズム。そばを刻むのではなく、リズムを刻むように包丁を使う。
包丁は手前から先に下ろし、わずかに斜めに倒して小間板を送る。

 

11-2

10cmほど切り進めたら、包丁の先をめんの下にすべり込ませる。よけいな粉をふり落とし、めんをほぐす。これを「こま分け」という。こま分けしためんは生舟またはバットに入れる。この際、めんをまっすぐ伸ばして入れること。ねじったまま入れておくと、いざゆでるときにねじれが取れなくなる。



 
 
そば切り包丁にもいろいろある。そば打ちの道具で紹介した包丁は典型的なもので、その形は江戸中期から受け継がれている。

しかし、そばを産する農山村などに行くと、古来そば打ちは主婦の仕事であったため、軽くて小型の包丁が使われた。有名な南会津地方の「裁ちそば」などは菜切り包丁である。

ほかにもナギナタ形のものや薪割り包丁といった大型のものもあり、千差万別だ。

一般にそば切り包丁は片刃だが、両刃のものもある。なぜ片刃かというと、これも江戸流で、両わきの肉が盛り上がっていては、細切りがしにくいうえに、そばの角をつぶしてしまう。「切りべら二十三本」に象徴されるように、江戸では細打ちの技術が重んじられたため、片刃の包丁が考えられたのであろう。

包丁で大切なものは、重さのバランス、つまり重心の位置だ。同じ1kgの包丁でも、前かぶりといって先のほうに重心があるものは重く感じでしまう。毎日反復して使う道具であれば体に負担がかかるようではいけない。重心は包丁の長さの中心からやや手元にあるものがいい。

柄には木製のものや荒縄を巻いたものなどがあるが、刀の柄に使われる白鮫の皮を巻いたものが最高級品とされている。
 
 
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